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茶室横断プロジェクト

時は戦国

天下布武! 信長信長ノッブナガ(byサケロック)

の時代は終わり、世は秀吉に仕切られて

つかの間の平静を取り戻していた!

そんな折、

天下のお祭り男、関白秀吉の命により

京の北野天満宮に天下中の茶人を集めた

大茶会が開催された!

世に言う「北野大茶会」(1587年)!

この茶会に参加せぬものは

以後茶会禁止、とされたものだから

日本中から茶人が大挙して上洛した!

大盛り上がりで秀吉超ごきげん!

利休はたぶん渋い顔!

ぜんぜん侘びてない!

侘びてないそれも結構!!!!!

裏千家表千家などといって

いまや流儀が固定されている

感のある茶道

当時は茶道も群雄割拠で

マグマのように流動的でそれだけに

刺激的でもあったはず!!!!!!

なにしろ業深き

武人たちが本気でシノギを削る世界!!!!

ドロッドロのせめぎあいの中で

ポーンと飛び出したうそから出た

誠、ひょうたんから駒が

侘び数寄ではなかったか!!!!!!

正月の川崎大師、

デリーの裏路地的

魑魅魍魎の跋扈する

北野天満宮!!!!

その中に巨大な朱塗りの傘を

立てその下で茶をたてている

者がいた。奇行で知られ

山城に隠棲していた

千利休が兄弟子、

その名は丿貫 !! (へちかん)

傘を広げるのみで、

貴人をもてなすに足る

場をつくる見事な創意に

秀吉一同感心しきりであったという!

「さすがは我が兄弟子。

野で点てる創意においては

私より上かもしれませぬ。」

By 利休 in へうげもの うろ覚え!

 

hechikan.jpg

 

丿貫傘の魅力を3点あげてみた!

簡易性 操作は傘を広げてさすのみ!

埋没性  傘はあくまで従。場をゆるやかに囲むのみ、その下で行われる茶事こそが主!!

演出性  ピカピカ(真っ赤)でありながらしつこくない!が、

      朱が華やかさを生み、人をもてなすに足る場を演出!!

これどこかで見たな。

とおもったらこれそっくりそのまま

トタン屋根の特徴だった!

 

こじつけであろう

という意見は聞かない。

本気で言っている。

トタンは瓦や茅葺に比べると格段に簡易である!!

簡易とは一般には「安い」というイメージを抱かせがちではあるが

トタン機構は簡易性にこそ価値を見出す。

茅葺など、育てて刈って、束ねて、葺いて1m。

すごい!!たしかにすごいが、そのすごさゆえに

重い!!堅苦しい!!

堅苦しきは己も他者をも苦しめるに似たり!!!

by織田長益

つぎに埋没性。

トタン屋根はあんなに派手なのに風景に埋没している

(東北地方民家の場合)

激ハデが埋没というのは実は日本人の得意技かもしれぬ。

新宿のネオン、コンビニの異常な蛍光灯数など、

チベットに持っていったらUFOよりも違和感があるに違いない。

が、日本では誰も気にしてない。

にしても昨今の化学系建材の

中途半端な色のにごり

にはほとほと嫌気が差している。

S水やA化成、やD和ハウス

に日本人の美意識が破壊されかけている!!

利休居士も草葉の陰で泣いておられる

それに比してトタン屋根の真っ赤!!とか

真っ青!!は誠にすがすがしい!!!!

「余計な見栄を求めず、用に徹した美といえましょう。」

 

by利休。もし今生きてたらの妄想コメント

ただし、演出性はどうした、というと、

丿貫にちょっと負けてるという気がする。

トタンによる埋没しつつ演出の妙。

これが21世紀のトタンのテーマと言えましょう。

丿貫傘にはトタンの目指すべき道が示されていることが

分かった。

トタン 丿貫。

トタンで丿貫傘を作って、トタンによる演出の可能性を

追う!

これがトタン茶室横断プロジェクトの次なるテーマであります。

へちかん傘の製作は次回につづく。